シルバニアファミリーの生みの親「エポック社」の歴史。
シルバニアファミリーのレビュー記事を書きはじめてから1年経った。
毎度シルバニアを連呼しているこのブログだけれど、思えばその作り手であるエポック社についてはほとんど触れたことがない。
というわけでネットにてエポック社の歴史を眺めてみた。
すると、エポック社が中堅と呼ばれる裏側には意外な歴史があった。
エポック社とは
エポック社は玩具メーカーだ。
設立は1958年でけっこう歴史が長い。
そんな歴史のなかで生み出してきたヒット商品といえば、時代順に「野球盤」「シルバニアファミリー」「アクアビーズ」。
日本中のだれもが、この3つのうち1つくらいは知っていると思う。
しかし。
そんなヒット商品を生み出しながらも現在のエポック社のポジションは、Wikipedia先生いわく「中堅」。
たしかに上場もしていないし、従業員数をみれば219名(2019年3月時点)なので、規模としては中小企業である。
調べれば調べるほどなんだか地味だ。
そもそもエポックという単語は「新紀元」「(画期的な)時代」という意味なのに、その社名とうらはらにヒット商品はアナログ玩具ばかり。
まったく新紀元の匂いがしないじゃないかと思ったところ、意外にもギラギラした歴史を見つけた。
じつはエポック社は、新紀元の戦いにコテンパンに負けていたのだ。
時をさかのぼること1970年代。
「据置型第1世代」と呼ばれるゲーム機たちが続々と登場するこの時代、エポック社はその看板をひっさげてガンガン先頭を走っていた。
ゲームを作っていたのだ。
「ちょっと作ってたこともある」というレベルではない。
なんと日本初の家庭用ゲーム機を作ったのはエポック社だった。その後も毎年のように新しいゲーム機を発表している。
この時期を見ると「新紀元を勝ちとるのはエポック社じゃないか」と思わせるほどの勢いがある。
しかし1980年代に入り、あの怪物が登場した。
その名もファミリーコンピュータ。
任天堂の生みだしたファミコンが爆売れして爆裂的にシェア拡大したのをキッカケに、エポック社はゲーム機から撤退することになった。
すなわち、新紀元を勝ちとったのは任天堂。いまなおゲームメーカーとして言わずとしれた超大手である。
では、戦いに敗れたエポック社はどうなったのか。
膝を抱えてすねていたのかと思いきや、負けて転んだ勢いでそのままロンダートからのバク転を決めていた。
シルバニアファミリーである。
1985年に任天堂が「スーパーマリオブラザーズ」を発売してファミコン人気を決定づけていたころ、エポック社はシルバニアファミリーを発売して空前のドールハウスブームを巻き起こしていたのだ。
シルバニアファミリーの息は長い。2020年に35周年を迎えた。
時代にのまれることなく世界中で愛され、いまでも毎年新商品が発売される巨大コンテンツである。
さて、エポック社のその後の歴史を見てみよう。
2004年に「アクアビーズ」発売、2008年に「ホイップる」発売と、やはりアナログ玩具で勝負している。
すごいのは、それぞれさくさくとおもちゃ大賞にて賞をとっているところだ。
「新紀元もアナログでいく」
そんな敗者の執念あってかエポック社はアナログ玩具でヒットを生み出し、デジタル全盛の時代を踏ん張りつづけて中堅のポジションに立った。
だれもが任天堂になれるわけじゃないけど、かといってエポック社になれるわけでもない。
歴史を覗いてみたら、そんな泥くささを垣間見ることができた。
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