映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』のレビュー。

『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』を観た。

ムーミンのお話をがっつり観るのは初めてだった。

小説やら絵本やらも読んだことがないほどのはじめまして。

ショッピングモールなどでムーミンの世界観や絵柄が目に入ってくれば「ステキだなぁ」と思ってはいたものの、じっさいに手を出してみるほどのエネルギーが無かったのだ。

YouTubeで公開されている予告編(30秒版)

いい映画だった。

もっと早く手を出せばよかったと少し後悔した。

映画を一言でまとめると「ときどきハッとさせられる絵本」という感じ。

オリジナルストーリーではなく、もとをたどれば1955年にイギリスの新聞に掲載されたコミックスらしい。と、ムーミンコミックス展で見た。

ムーミンコミックス展で見た。

この映画を入口としてDVD「ムーミン谷のなかまたち」を観始め、ムーミンショップでうっかりぬいぐるみを買ってお会計時にもらった招待状を携えてムーミンコミックス展へ行くという流れで滑らかにムーミンにハマっている。

そんな魅力がこの映画にはあった。

この記事では、ネタバレにならない程度に映画の魅力を語っていきます。

絵本をめくるような気軽さ

まず絵柄の雰囲気がイイ。

冒頭のスナフキンがテントから出てくるシーンで好きだなと思った。

ちょっとレトロな絵本っぽい。

全体的に褪せたような色合いで、画面のなかにすこし余白のできているシーンが多め。

かといって手抜きを感じるわけではない。

挿絵がそのまま動いているようでロマンチックだった。

そして、絵そのものだけでなくストーリー展開もまた絵本くらいユルい。

ちっさい船で何の計画も立てず嵐にのって海へ出たのに誰一人死なず目的地へ到着できたり。

大人になったあと観ると「あ、そこそれで済ませていいのか」と拍子抜けするユルさ。

でも逆にそのユルさが心地よかった。

たとえばこれが、

「この船とこの地図とこれだけの食料でめちゃくちゃ綿密な計画を立てて出発したけど家族のうち2人は帰らぬ人に」

みたいなギチギチに現実的なストーリー展開だったら、面白くない。

ぜんぜん面白くない。

めんどくさい現実要素をぜんぶ省いてふわわんとムーミンの世界観を味わえる映画だった。

よくあるお話+α

この映画をさくっと要約すれば、富と愛をくらべて「やっぱり愛のある我が家がいいよね」というよくあるメッセージだと思う。

だいたいの起承転結はもう予告編を見ればだいたいわかってしまう。

だから面白味はないけど、ある程度ラストが読めるので安心して観ていられるのはよかった。

そして。

道徳的なストーリーにプラスαで、ちょっとしたトゲも混ざっているのが面白かった。

あこがれのセレブに声をかけてもロクに相手にしてもらえなかったり。

裕福な人が、あえて貧乏をファッション的に楽しんでみたり。

絵本らしいユルい展開でありながら登場人物は決していい子ちゃんじゃなくて、それぞれの言動にときどきハッとさせられた。

私はムーミンの物語を観たのは初めてなのだけど、この絶妙なユルさとトゲの加減がもしかするとムーミンの魅力なのかもしれないなぁと思った。

総評

ときどきハッとさせられる絵本のような映画。

とにかく絵柄がイイ。

私にとってはこの映画がムーミンの入門編となったわけだけど、気軽に楽しめたし見事にムーミンにハマったので同じくムーミン初心者の方にもおすすめ。

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