私はここ2年ほど、ちまちまとぬい撮りやドールハウス撮影をしている。
そんななか先日マシュマロにて優しい匿名さんからお悩みをいただいた。
「構図がなかなか思いつかない」
ほう。
じつは私、構図についての本を数冊読んだことがある。
しかしなにやら難しくてよく分からなかったし、ミニチュアに応用するのはさらに難しそうだった。
それゆえ似たり寄ったりの構図でばかり撮っているわけだが、撮りためていくうちに
「どんな角度で撮るか」「どんな遠さで撮るか」
みたいなシンプルな教訓はたまってきたので、今日はそれを共有したいと思う。
Contents
前置き
私はシルバニアのきいちご林のお家をステージにして撮ることが多い。
こんな感じ。
この記事に出てくる写真たちはすべてこのハウスをステージにしているので、なんとなくカメラの位置を想像しながら読んでもらえたら嬉しい。
ノーマル!横から撮る
まずはノーマルに。
私は「まるで生きてるみたい」な写真が好きなので、ドールハウス特有の途切れた壁や屋根が写らないこの構図がいちばん多い。
あとは「横から見たときに一番可愛い」パーツが多いときもこの構図はオススメだ。
たとえばこの写真だと左の壁の吊棚や、窓辺の戸棚は横から撮るのがいちばん映える。
背の高い棚は低い位置から撮るとより背が高く見えるので、自然に迫力を演出できてしまう。
ちなみに私はドールハウスの屋根を発泡スチロールでふさぎ、窓からストロボという名のどでかいフラッシュを差し込むことで「外は明るく中は薄暗い」という現実世界っぽい光バランスにしている。
この構図はそういうコントロールもやりやすいのだ。
撮りやすすぎて必然的におなじ構図の写真だらけになり、かわりばえしないという印象になってしまうのが唯一の難点かもしれない。
ここを見せたい!上から撮る
テーブルの上の料理たちをメインに写したいときなど、「上から見たときに一番可愛い」ものは上から撮るようにしている。
ほかにも、
家具のような高さがあるものではなく、小物をごちゃごちゃ並べたい場合も映えると思う。
お人形はこっちを見上げるポーズになるので自然に可愛さを演出できるのもイイ。
しかし上からの構図は屋根を発泡スチロールでふさげないぶん光のコントロールがやりにくいのは難点である。
お手軽1コマ!狭く撮る
お人形に「よお」などとセリフをつけたり、いくつか写真を用意してストーリー展開してみたり。
写り込む家具が少ないので気合を入れて並べる必要もなく、お手軽にサクサク撮れるのもこの「狭い構図」のいいところ。
難点としては、どうしても迫力ある一枚にはなりにくいところだろうか。
どっさり迫力!広く撮る
どっさり並べて限界までカメラを遠ざけて「広い構図」で撮ると、こんな感じの迫力ある一枚に。
写真左上の隅っこには赤い屋根が少し写り込んでいるし、左下には床のフチが写りこんでいる。ギリギリである。
ミニチュアをたくさん並べるぶんおのずと生活感を演出できるのもこの構図のいいところ。
難点はミニチュアを並べるのにとにかく時間がかかることだろうか。この写真を撮ったときは1時間半くらいかかったような気がする。
途中で首を回したり肩を回したりストレッチしつつ、並べること自体を楽しむという気持ちで臨むのがオススメである。
しっかりドールハウス!全体を撮る
これは最近挑戦しはじめた構図。
ドールハウスをドールハウスとして撮りつつも、ちょっとトイストーリーっぽく、じゃっかんの命を感じたいという気合いで光のコントロールを試みている。
窓から光を差し込ませたい。
なかなか可愛くていい感じなのだが、やはり光のコントロールは難しい。
少ないミニチュアでお部屋ぎっちり!ズームして撮る
構図からちょっと話はそれるが、圧縮効果というやつをご存知だろうか。
圧縮効果とは「遠近感がよく分からなくなる」という効果のことで、スマホカメラでズームして撮ったときや、あとは一眼カメラのレンズ次第でかかってくる効果だ。
手前と奥のあいだの距離感が圧縮されるせいでよく分からなくなる。
たとえばこの部屋には手前のピアノと奥のソファくらいしか家具がない。
それなのに圧縮効果によって遠近感がよく分からなくなっているので、ピアノの奥にあるはずのぽっかり空いたスペースを感じにくい。
コツは低い位置から撮ること。
この写真もそうだ。手前のテーブルと奥のケイトさんの間には距離があるのだけど、そのぽっかりスペースを感じにくい。
そんな感じで、「スマホカメラのズームをかけつつ低い位置から撮る」と、少ない家具でもお部屋ぎっちりに見えるのでオススメである。
まとめ
横から撮ったり上から撮ったり、狭く撮ったり広く撮ったり。
おもいきってドールハウス全体を写してみたり、少ない家具でお部屋ぎっしりに見えるようにズームして撮ってみたり。
まずはそのお部屋の主役となる家具を決めて、それに合わせて構図も決めてしまってから、小物パーツやお人形を配置していくのがオススメである。
最後に1つ、とっておきの教訓を共有させてほしい。
どんな構図であれお人形はカメラからなるべく遠い位置に置いたほうが、家具とよく馴染んでくれるので生活感を演出しやすい。
ぜひお試しあれ。
それでは素敵なぬい撮りライフを。
グッドラック。